株式投資と投資信託の良い所を取ったような投資商品であるETF。
少額で分散投資ができることや、信託報酬が比較的安いことから、魅力的な商品となっています。
中でも、ETF投資家が最も楽しみにしているのが分配金ではないでしょうか?
この記事では、ETFを保有していると貰える分配金について、貰い方や注意点などをまとめました。
Contents
ETFの分配金の貰い方
株式における配当金と同じように、ETFでも分配金を貰うことができます(一部の銘柄を除く)。
ETFの分配金の説明から貰い方、貰えるタイミングについて解説していきましょう。
ETFの分配金とは?
ETFは、運用で得られた収益から信託報酬を差し引いた利益を、すべてETFの保有者に分配することが決められています。
つまり、投資家に利益を確実に分配してくれる投資商品なのです。
ETFは投資信託とよく似ていますが、投資信託の分配金には上記のような決まりがありません。
そのため、運用に必要な元本を削って分配金を多く見せる投資信託も存在します。
その点、ETFは運用益から分配金を捻出しているので、継続的な運用成果を期待できるでしょう。
また、投資信託には分配金が無い商品も多いです。
これらの観点から考えると、運用益を分配するETFは、ファンドとして成長しながら利益を投資家に還元してくれる商品、と言うことができます。
ETFの分配金を貰う方法
ETFの分配金を貰うためには、「権利確定日」にETFを保有していなければなりません。
ETFの決算日のこと
この日に保有していない場合、他の期間でどれだけ長く保有していても、分配金を貰えないので注意してください。
権利確定日にETFを保有するためには、「権利付最終日」までにETFを購入しておく必要があります。
権利確定日は権利確定日の3営業日前。この日までにETFの取引は終わらせておきましょう。
権利確定日は銘柄によって異なります。証券会社のホームページで確認しておくようにしましょう。
国内のETFの場合、1月と7月の末を権利確定日としていることが多いです。
ETFの分配金が貰えるタイミング
分配金が貰えるタイミングは、ETFによって異なります。
年に1回、2回、4回、12回のいずれかであることが多いのですが、証券会社のホームページで見て、年に何回の分配金を貰えるのか確認してから購入しましょう。
また、何月に分配金を貰えるかもETFによって異なります。
前述した権利確定日の後、2〜3ヶ月後に入金されることが多いです。
分配金を貰えるETFの3つの注意点
定期的に分配金として不労所得を得られるETFですが、注意しなければならないこともあります。
主な注意点は次の3つです。
- 分配金の再投資ができない
- 分配金が貰えないこともある
- 分配金の金額は一定とは限らない
注意点①分配金の再投資ができない
分配金を貰ったら、そのお金をまた投資するのが、最も早く資産を増やす方法です。
これを複利効果といいます。
ETFは運用で得られた利益を分配してしまうので、再投資は行われません。
投資家が自分で同じETFを購入するしか再投資する方法はありませんが、ETFを買える金額の分配金が貰えるとは限らないでしょう。
したがって、利益が再投資されず、分配金として還元されてしまうために、資産の増えるスピードが遅くなってしまうデメリットがあります。
資産を大きくしたい人は、分配金の再投資を自分で行う必要があります。
注意点②分配金が貰えないこともある
ETFの分配金は、運用益から支払われます。
つまり、運用が上手くいかず、運用益が得られなかった場合、分配金も貰えなくなってしまいます。
過去に分配金を支払っているかどうかなど、実績は証券会社のホームページで確認することができます。
ただし、将来にわたってずっと分配金を得られる確証は無いことにも注意しましょう。
注意点③分配金の金額は一定とは限らない
上述のとおり、ETFの分配金は運用の成果から支払われます。
運用成果は常に一定ではなく、運用が上手くいく時期もあれば、上手くいかない時期もあります。
そのため、分配金の金額は毎回一定とは限りません。
各ファンドの実績を見ると、概ね一定となるようにしているETFが多いのですが、分配金の増減はあり得ると認識しておきましょう。
ETFを選ぶときのポイント
ETFを持っていると、定期的に分配金という収入を受け取ることができます。
となると、できるだけ分配金を多く貰えるETFに投資したい、と考えるのが自然でしょう。
しかし、ETFを選ぶときは分配金の大きさ以外にも注意するべきポイントがあります。
良いETFを見つけるためには、過去の分配金以外に次の3点に注目してみてください。
- 分配金利回り
- 信託報酬
- 出来高・売買代金
いずれの項目も、証券会社のホームページにおける各ETFの説明ページに掲載されていることが多く、簡単に確認できます。
ポイント①分配金利回り
ETFに投資するなら、分配金がたくさん貰えるETFを選びたいですよね。この観点で最も重要なのが「分配金利回り」です。
分配金利回りとは、何円の投資に対して、何円の分配金を貰えるか、という指標のこと。
分配金をETFの価格で割ることで計算できます。
例えば、AというETFは価格が5万円で、1年分の分配金が200円だったとします。BというETFは価格が1万円で、1年分の分配金が100円だったとしましょう。
この場合、Aの分配金利回りは0.4%、Bの分配金利回りは1%です。Bの方が、投資額に対して多くの分配金を貰えることが分かります。
投資額に対して多くの分配金を貰いたいなら、分配金の金額ではなく、分配金利回りを比較してETFを選びましょう。
ポイント②信託報酬
信託報酬とは、投資家が運用会社や販売会社に支払うコストのこと。
ETFは運用を専門家にお任せするので、そのための手数料のようなコストだと思ってください。
ETFの分配金は、運用益から信託報酬を引いたお金から支払われます。
つまり、多く分配金を貰うためには、信託報酬が少ないETFを選ぶと良いと考えられます。
ポイント③出来高・売買代金
出来高は取引された口数、売買代金は取引された合計金額です。
出来高や売買代金が大きいETFは、市場で活発に取引されている商品であることが分かります。
このようなETFは人気のある銘柄である、ということが言えるでしょう。
人気の無い銘柄は、買いたいときに売り手がいなく、売りたいときに書い手がいない流動性リスクが大きいです。
自由に売買できない可能性があるので、分配金狙いの投資であっても、おすすめできない銘柄。
自由に売買できなくても分配金を貰うことはできます。
しかし、保有しているETFから別のETFに乗り換えたいと思ったとき、保有銘柄を売りにくいのはデメリットになるでしょう。
まとめ
ETFを保有していると、多くのファンドでは定期的に分配金を貰うことができます。
金額や貰えるタイミングなどは銘柄によってさまざまであることを解説してきました。
また、分配金の再投資や金額の増減など、ETFへ投資する前に押さえておくべき注意点についても紹介しました。
分配金狙いで投資するETFを選ぶときのポイントは、分配金の金額だけではありません。
分配金利回り、信託報酬、出来高・売買代金も比較して、自分に合ったETFを選びましょう。
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