初心者がFXの口座を開設するには、どのFX業者がいいのでしょうか?
「初心者にやさしい」といわれている次の13業者の特徴を比較してみました。
「DMMFX」「GMOクリック証券」「YJFX!」「外為どっとコム」「ヒロセ通商」「外為ジャパン」「FXプライムbyGMO」「インヴァスト証券」「FXブロードネット」「外為オンライン」「Money Partners」「SBIFXtrade」「IG証券」(順不同/データは2019年6月現在)。
少額投資なら1000通貨単位以下を選ぶ
通貨ペア数のランキングは、多い順番に次のようになっています。
- IG証券-97
- ヒロセ通商-50
- インヴァスト証券-27
- SBIFXtrade-26
- FXブロードネット-24
- 外為オンライン-24
- YJFX!-22
- DMMFX-20
- 外為どっとコム-20
- FXプライムbyGMO-20
- GMOクリック証券-19
- Money Partners-16
- 外為ジャパン-15
通貨ペアは20台がふつうです。
IG証券やヒロセ通商ではけっこうマニアックな通貨ペアも取引できますから、将来、FX上級者になっても長く付きあえるでしょう。
通貨ペア数が20を割り込む業者でも、「USD/JPY」「EUR/JPY」のような取引量が多いメジャー通貨の通貨ペア、日本円のペアとしてオーストラリアドルのような日本の投資家に人気の通貨はみんなカバーしていますから、初心者のうちは心配はいりません。
むしろ、初心者にとって重要なのは「最低通貨単位」がいくらかで、少ない資金でもFX投資ができるかどうかはそこにかかっています。
13業者のうちDMMFX、GMOクリック証券、IG証券の3業者は10000通貨単位、インヴァスト証券は5000通貨単位と多めで、逆にMoney Partnersは100通貨単位、SBIFXtradeは1通貨単位と少なくなっています。
それ以外のYJFX!、外為どっとコム、ヒロセ通商、外為ジャパン、FXプライムbyGMO、FXブロードネット、外為オンラインの7業者は1000通貨単位です。
初心者のうちは1~1000通貨単位の少額投資ができるFX業者の口座で慣れて、経験を積んで投資資金に余裕があるのなら、別の魅力やメリットを持っている10000通貨単位のFX業者の口座に乗り換えていくのもいいでしょう。
通貨単位で注意してほしいのは「強制ロスカット」で、たとえば「USD/JPY」の通貨ペアで1000通貨単位(1000ドル)、25倍コースであれば交換レートが1ドル=110円であれば最低4400円あれば投資可能ですが、最初にFX業者の取引口座に4500円程度しか入金していなかったら、どうなるでしょう。
レートがちょっと変化しただけでアッと言う間に強制ロスカットになってしまいかねません。
そのため最低4400円と言っても、最初に1万円や2万円を口座に入金しておく必要があります。
最低通貨単位が低くても、手持ち資金がギリギリだったらFX投資を続けることができません。
それはFXが株式投資(現物)とは異なっている点です。
スプレッドが小さいと取引コストが安くなる
FX業者は「スプレッド」を主な収入源にして営業しています。たとえば取引画面で「USD/JPY」を見てみると、価格欄には左にBID、右にASKとあります。
このBIDは売値、ASKは買値で、数字はBIDよりASKのほうが大きくなっていますが、その数字の差をスプレッドといいます。
「USD/JPY」の通貨ペアで、BID(売値)が110.001円、ASK(買値)が109.999円だったら、110.001円-109.999円=0.002円がその差になります。1円=100銭ですから、スプレッドは0.2銭です。
今は「銭」の硬貨はありませんから、数字の上だけの話です。
このスプレッドは株式投資の売買仲介手数料に相当し、FXの取引で投資家が負担する取引コストになります。
スプレッドが狭い(小さい)ほどFXの取引コストは安くなり、投資家にとってはメリットになります。
スプレッドが狭い(小さい)、ひろい(大きい)はFX業者ごとに異なり、同じ業者でも通貨ペアによって異なります。
ここでは最もポピュラーなアメリカドルと日本円、「USD/JPY」の通貨ペアで13業者のスプレッドを比較してみました。
外為オンライン-1.0銭、FXプライムbyGMO-0.6銭が高く、DMMFX、GMOクリック証券、YJFX!、外為どっとコム、ヒロセ通商、外為ジャパン、FXブロードネット、Money Partners、IG証券の9業者は0.3銭で横並びです。
SBIFXtradeは0.27銭(10000通貨以下の場合)と安く、インヴァスト証券は「変動」です。
他の12業者のスプレッドは「原則固定」ですが、インヴァスト証券のスプレッドは変動して一定していないという意味です。
日本ではFXの取引量が多い「USD/JPY」のスプレッドは投資家の間でよく比較され、「あそこはひろい(高い)」「あそこは狭い(安い)」とSNS上でも情報が飛び交っているので、FX業者もよそを気にして数字が横並びになりがちです。
トルコリラのようなマイナー通貨と日本円の通貨ペアになると、業者によってスプレッドにけっこう差がついているようです。
FX業者はそれぞれに売り物や長所がある
13業者はそれぞれ、売り物、長所を持っています。簡単にご紹介していきます。
日本国内のFX口座数第1位のDMMFXは取引通貨単位は10000通貨ですが、20の通貨ペアのスプレッドの差が小さく、全体として業界最狭(最安)水準です。
月間取引高7年連続世界一のGMOクリック証券も10000通貨単位ですが、通貨ペアによるスプレッドの差が小さくなっています。
YJFX!はヤフーグループでスマホトレードに強いのが長所で、外為どっとコムにはまるで大手証券会社のような「外為どっとコム総合研究所」があり、調査力、情報力が売り物です。
ヒロセ通商はシステムの負担が大きくなるのに利益を取りにくいので他のFX業者が禁止したり敬遠したりしている「スキャルピング」(数秒単位の売買を繰り返す投資手法)を歓迎しています。
マイナー通貨も含めて50の通貨ペアを用意していますが、自動売買はありません。
外為ジャパンは、たとえば「ユニクロ」に対する「GU」のようなDMMの「第2ブランド」で、DMMFXとは違って1000通貨単位で取引ができます。
FXプライムbyGMOは取引を必ず成立させる約定力が売り物ですが、スプレッドがひろく(高く)、10000通貨単位以下の取引では手数料を別途請求されます。
自動売買をやってみたいという人は、それに力を入れているインヴァスト証券、FXブロードネットが向いています。
外為オンラインも自動売買を簡略にした「iサイクル2取引」を独自に開発しました。
Money Partnersは100通貨単位から取引ができ、空港で受け取れる海外旅行者のための外貨両替サービスがあります。
東証1部上場のSBIホールディングス傘下のSBIFXtradeはなんと1通貨単位から取引が可能で、「USD/JPY」のスプレッドは10000通貨単位まで0.27銭で業界最狭(最安)です。
IG証券は海外が拠点でロンドン証券取引所に上場していて、通貨ペア数は97でマイナー通貨同士のペアも豊富です。日本で初めて「バイナリーオプション取引」を導入しました。
FX業者は乱立気味で、より多くの口座数、より多くの取引高、より多くの利益を目指して、「いかにしてうちの個性を打ち出すか」「よそと差別化していくか」で競っています。
それぞれ「こんな投資家を狙って、こんなサービスを提供する」という戦略があり、特にFX初心者を狙ってそれに適したサービスを提供しているのが、ここに挙げた13業者です。
これ以外に、「できれば初心者は相手にしたくない」が本音で、FX中級者以上を狙う戦略をとっているFX業者も存在します。
そんなところは公式ホームぺージの雰囲気でわかりますし、初心者が口座開設を申し込んでも審査で断られるかもしれません。
投資経験豊富な上級者でも、システム障害時の避難先にする対策も兼ねて2つ、3つのFX業者の口座を開設して使い分けている人はざらにいます。
IG証券のように口座で6ヵ月取引がないと口座管理手数料を請求するところもありますが、口座を開設するだけなら原則として無料です。
最初からいくつか複数のFX業者で口座を開設して、「ここは初心者の自分に一番合っている」と思ったところに絞り込んでいくのもいいでしょう。
特に無職、フリーター、主婦、低年収など審査で落とされかねない事情を抱えている人は、第1希望、第2希望、第3希望など複数申し込んでほしいと思います。
同じFX投資の初心者でも、性格的に「手取り足取り指導してほしい」という人もいれば、「お節介はほどほどにしてほしい」という人もいるでしょう。
友だちや恋人と同じで、数字の上ではスペックがどんなに良くても、相性がよくないとか、欠点が気になってしかたがないFX業者と付きあっていたら、ストレスがたまって精神衛生上よくありません。
時間をかけてでも、自分に合っていて、納得がゆくところを選んでください。
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