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暗号資産のメリット

仮想通貨が暗号資産と名称変更された背景は、従来の仮想通貨が通貨の概念に適合しないことからです。しかし、暗号資産とは発展途上のものであって今後どのようなものが現れてくるかはわかりません。フェイスブックのリブラは暗号資産とは異なるグローバルな電子マネーになるかもしれません。とすると従来の暗号資産はどうなるのでしょうか?通貨性が低く評価されても投資上の魅力はあり、暗号資産のメリットと特性を把握しておきましょう。

1.暗号資産のメリット

暗号資産のメリットとしては次のような点があります。

(1) 高い値上がり益が見込める投資性

暗号資産は高い値上がり益が伴う可能性があり、高騰と暴落のありうるハイリターン・ハイリスクのデータ商品です。暗号資産購入の目的で中心となるのは投資です。投資の範疇を超える投機の部分もありえます。

(2) 暗号資産としての交換性

仮想通貨と言われていた暗号資産の通貨性が否定されたとしてもその交換性の存在は前提としてあります。言わばモノとしての交換性です。物々交換の歴史に沿って、物が金に代わり、金が通貨に代わり、通貨の中でドル本位制が出来てきた歴史があります。しかし、金は今でも交換性が高く安定した資産です。金のレートは変動しますが安定しています。

そのような資産の交換の歴史から言えば、データとしての金融資産である暗号資産が一定の安定したレートが確立し、流通市場が整備され、マネーロンダリングなどの犯罪の介入を防げるシステム開発やセキュリティシステムが開発されれば暗号資産は普及する可能性があります。

(3) 国境を越えたグローバルな資産性

安定した法定通貨は先進国の一定の範囲にとどまります。世界の発展途上国や政情不安のある国では経済的にも法定通貨が安定していません。また、フェイスブックのリブラの開発動機にも世界の発展途上国を中心に銀行口座を持たない人口が17億人いることが上げられています。自国通貨の安定性や金融機関が未整備な地域でも、インターネットがつながる可能性があれば携帯電話などの端末機器を通じて暗号資産を所有、交換、送金が可能となります。暗号資産は、国境を越えたグローバルな資産性を持っていると言えるでしょう。

(4) 銀行を通さず、個人間で直接スピーディに送金することができる

一般的に日本円や外貨を送金する際には、銀行などの金融機関を介して送金する必要があります。しかし、暗号資産ではインターネットを通じて、銀行を通さず、個人間でのやりとりが可能です。直接会ってお金を支払うのと同じように、暗号資産を使えば直接相手に支払うことができます。銀行が危機感を感ずる点でもあります。銀行の存在意義が薄れる危機感です。

送金方法は、相手に送金先の情報を送ってもらい、取引所を介して送金額を入力するだけで送金ができます。

また、時間的にも、銀行振込の場合、時間帯によっては翌日の着金になることがありますが、仮想通貨は相手先に直接送金するため、例えばビットコインの場合は、数十分で送ることができます

(5) 手数料が無料、または安い

現金をベースにした金融システムでは、預金者の引き出しに備えて多額の現金を用意する必要があり、金庫やATM、各支店などの設備が必要です。そのため各種手数料が割高になってしまいますが、仮想通貨ではそれらの設備が不要であるため、手数料を格安にできます。

海外送金の場合、一般の銀行が数千円程度の送金手数料や為替手数料などが必要であるのに対して、仮想通貨なら数百円の手数料のみで済みます。そのため、個人間の少額の送金や売買において暗号資産での送金は向いています。

(6) いつでも、どこでも取引できる

暗号資産の取引は、24時間365日、休むことなく可能です。また、国境を越えて取引ができます。オン・デマンドなツールです。

2.暗号資産の特性

暗号資産における従来の仮想通貨とはどのようなものなのかをもう少し詳しく考えていきましょう。

(1) 中央集権的な発行元がなく、インターネット上の技術を活用したものであること。

従来の仮想通貨には国や金融機関による保証がありません。しかし、国や金融機関の保証のない仮想通貨が多くの人々から価値を認められて高値がついています。その理由は、仮想通貨ならではのシステムがあります。これらにより、二重決済や取引情報の改ざんを防ぐことができます。主に、次の3つの技術によって信頼を担保しています。

①「電子署名」で不正送金を防止する

暗号資産の取引の際には、送付者のなりすましや取引の偽造を防ぐために複雑に暗号化された電子署名を添えて情報をやりとりします。

②分散管理の仕組みと「ブロックチェーン」技術による取引の記録化

分散型管理

分散型管理とは、売買取引の情報や、誰がどれほどの暗号資産を持っているかという情報も、ネットワークに接続された不特定多数の端末に分散して記録され共有されています

その一部を改ざんしても、ほかの端末に記録された情報と照合すれば、データを書き換えたことがすぐにわかります。ですから、暗号資産のデータを不正に改ざんしようとすると、ネットに接続されている膨大な数の端末に侵入し、すべてのデータを書き換えなくてはなりません。それは現実的には不可能です

暗号資産を支えるブロックチェーン技術

暗号資産の分散型管理を実現しているのが、分散型台帳とも呼ばれる「ブロックチェーン」の技術です。暗号資産の取引情報を暗号化して、外部から解読できない形でいくつかにまとめてブロック化し、それを鎖のようにつなげていくところから、このように呼ばれています。

例えば、AさんがBさんにいくらかの暗号資産を送金すると、それが間違いなくAさんによって行われたことか、金額はいくらかという取引内容が検証されます。そして、間違いないことが確認されると、その情報はブロックチェーンの末端に暗号化されてつながれていきます。

ブロックチェーンにつながっているひとつ前のブロックの情報も、暗号化されて格納されます。こうしておけば、そのブロックがチェーン上のどの位置にあるかが特定でき、もしも位置情報が改ざんされてもすぐにそれとわかるようになっています

このように、ブロックチェーンは情報の改ざんに対する強度が非常に高く、それだけに仮想通貨になくてはならない技術です。

ブロックチェーンは取引の詳細については外部から判別できないようにしているものの、取引の有無は取引履歴がオープンになっており、不正利用がないかどうかがユーザー同士で監視できるようにしています。このようなブロックチェーンの仕組みが不正防止につながっており、取引データや通貨の流出に対する安全性を担保しています。

③「マイニング」によって改ざんを不可能にする

世界中の多くの人々がマイニング(採掘)と呼ばれる特殊な計算作業を行い、取引の正当性を担保し、大切な情報を改ざんから守っています。マイニング作業とはひたすら計算を行い、一番はやく解答できた人が報酬にもらえるというゲームのような仕組みのことです。

(2) 暗号資産の発行上限がある(一部例外あり)

法定通貨は金融政策によって流通量が変わります。中央銀行による金融緩和によって貨幣の流通量を増やし、緊縮によって減らします。通貨の価値を安定させるために、公的な機関が流通量に介入します。一方で、従来の暗号資産は一般的に発行者がいないので、特定の機関が意図的に発行量を変え、価格が調整されることがありません。

そのため、通貨の流通量が増えすぎて価格が低下してしまわないように、発行数に上限を設けているものがあります。たとえば、ビットコインには2,100万枚という上限が設定されています(※発行上限がない仮想通貨もあります)。発行上限を設定することで希少性を高め、通貨に価値を維持しています。

まとめ

暗号資産はベネズエラのようなハイパーインフレを起こしている国の資産保護では有効でしょう。トルコでの普及率の高さはトルコの通貨リラへの信用不安が背景です。

通貨の安定している日本では暗号資産は実用というよりも投資の対象です。実際の支払いツールとしての用途は限られています。また、暗号資産の価格が上がれば実際の使用よりも投資目的での保有になるでしょう。

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