個人には経営資源というようなものは限られたものしかありません。
その限られた資源のどこを強みとして認識することができるかが重要だ
実際には多くの人は、ないないづくしで起業をします。
経営資源と言うほどではなくても、やりたいことがあり、なりたいものがあれば、それがエネルギーという資源ではないでしょうか?
エネルギー資源がないということは起業という車が動かないということです。
やる気というエネルギーさえあれば道は開けます。人は誰でも必ず少しの経営資源はあるのです。
経営資源(人、物、金、情報)とは
個人、スモールビジネスでの起業こそすべての起業の原点です。
個人での起業のスタートは、経営資源のある程度そろった企業の新規事業開発や、事業後継者の関連企業での起業とは異なります。
ゼロに近いところからの出発です。しかし、ないないづくしの起業にも基本的な成功の法則はあります。
自分の経営資源と市場性、創造性、競争性、社会性などの要因が絡みます。基本となるのは、経営資源の人、物、金、情報です。
「人」は、起業家自身の起業目的、意欲、能力、技術、アイデアなどすべてです。また、起業家周辺のパートナー、出資者、協力者などの総合力です。
「物」は商品、サービスです。人の持つ技術、アイデアなどが背景になります。
「金」は自己資金、出資金、融資などです。
「情報」は物、市場、資金、ノウハウなど、人・物・金に関わる間接的なつなぎの部分です。
経営資源力とは、経営資源の人、物、金、情報を加算したものです。
この加算が乗算に変化するのは市場での優位性を確保した時です。全面展開の時でもあります。
起業当初は単なる加算から始まるものなんだね!
自分自身の経営資源の分析をしてみよう
①人
自分自身の起業の動機と目的
他の項目の記事でも紹介しましたが、
あなたの起業の目的は何でしょうか?
現在の事業目的はなんでしょうか?
ここが起業の原点になります。
原点が明確で強ければ起業精神が強いことになるんだ
迷いや悩みのともなう起業活動ですが、苦しい時、壁にぶつかった時に壁を乗り越えられる要因になります。
次のような例があります。
プロを目指していた運動選手Kさんはケガで選手継続を断念しました。
ケガの治療時に理学療法の世話になり、第2の人生目標を決める必要性に迫られる時に、自分も理学療法士としてケガをした運動選手の役に立ちたいと思い専門学校に通い資格を取り、将来のリハビリ事業での起業を決意しました。
また美術の好きなIさんはビジネスで美術品を扱うような仕事がしたいと思っていました。
大学では美術への関心から外国語科目でフランス語を選択しました。結果としてフランス語はかなりのレベルに達し、就職ではフランス系の商社に就職しました。
仕事の関係で何度もフランスに行く機会がありました。
担当した仕事は美術とは関係のない食品などでしたが、個人的にパリでは画材店や美術品商社などの情報を収集し続け、ある時にリトグラフ(石版画)の卸先とコネクションができ、会社勤め中ではありましたが起業独立の準備を始めていきました。
時が熟した時に退社し、リトグラフの輸入販売会社として起業し、高額商材の必要性があり商品を求めていた直販系販売会社への卸販売ルートを開発しました。
美術が好きという動機に基づき、語学習得、商社での修業と準備を重ね、起業の眼を持ち商品と出会いました。
起業の決意も揺らぐ時があります。起業の目的も変化します。
人間は本来弱いものですから当然です。
起業の決意は自分の弱さを克服し自分を強くしていきます。
起業家の生き方は自分を成長させるものです。サラリーマンにはない人生が開きます。
原点を大切にして絶えず起業の目的を強めていくことが大切なんだね!
武器となるサラリーマンなどを通じて身につけたキャリア、ノウハウ、資格、語学力、アイデア、技術、その他の創造力、営業力、コミュニケーション力などの能力です。
パートナーでは一緒に起業する人や雇用する社員、外部ブレインなどがあります。
法人化し株式会社化するならば出資者が支援してくれます。基本的には法人化したほうが組織としてのパワーが出ます。
また、協力者には家族や友人がいます。これらの人の支援があれば起業はより強力に展開します。
②物
事業内容となる商品、サービスは何でしょうか?
既存のものとの差別化のポイントは何でしょうか?
商品の仕入れ先はありますか?また仕入先は独自のものでしょうか?
提供するサービスにオリジナリティはあるでしょうか?
③金
自己資金はある程度ありますか?
事業計画に沿った額は確保していますか?
株式会社設立する場合のあなた以外の出資者はいますか?出資金の額はいくらですか?
出資以外の家族などからの借り入れの予定はありますか?その額と返済条件は?
融資を受ける予定はありますか?その金額と返済条件は?
これらの当初の資金、その後の運転資金の管理は誰がやりますか?態勢は大丈夫ですか?
④情報
特に市場の情報は重要です。
どのような市場、ターゲットを狙ったら良いのかの戦略が必要です。
起業の成功法則とは
経営資源(人+物+金+情報)+市場性・トレンド+社会性
を基本としその値が大きくなればなるほど確率が高くなります。
経営資源は自分と自分達の力で、市場性・トレンド+社会性は環境です。
市場性ではニーズが潜在化しており顕在化には時間がかかる場合や、顕在化しても対価に見合う経済価値の相場が未成熟の場合もあります。
商品・サービスが優れていても時代より早過ぎる場合があります。
社会性とは、人や社会に役立つということです。
人や社会に役立つものはマスコミのパブリシティにのる場合もあり、社会的に支援が得られる可能性があります。
1点突破全面展開の戦略―自分の強み、物、市場を1点に絞り込む
上記の経営資源を総合的に上げ多様な要素を分析した後に、今度は自分の強みの中で決定的なものを1点、売りたい商品・サービスを1点、対象とする市場・ターゲットを1点に絞ってみてください。
前述の行政書士として独立したHさんですが、的の絞りにくい行政書士の業務分野で、国際的な分野の入管業務1本に絞り込みました。国際的なことに関心があったためです。対象も中国人に当初は絞りました。営業宣伝の媒体を絞るためです。
親身なサービスでクチコミを呼び予想以上に早く起ち上ることができました。
あれもやりたい、これもやりたい、というように夢は広がりますが、目的と目標を整理してみよう
目的は最終的に目指すもの、目標はステップで目指すもので、ステップとしての目標を達成していく経過を経て目的に近づいていきます。
1点突破全面展開の戦略とは元々は戦闘における弱者の戦法の1つです。
弱者が強者と戦い勝つためには、強者の土俵で戦ってはなりません。弱者が少しでも有利な展開が可能な土俵で戦わなければなりません。
弱者の戦法の1つに局地戦があります。
局地戦であれば限られた人数の部隊しかいない弱者でも戦える可能性があります。また陽動戦があります。
攻撃すると見せかけて攻撃しない、攻撃されたら逃げる形で強者を消耗させる戦い方です。
まとめ
局地戦の応用で店舗展開において地域集中出店方式があります。
地域に複数の店舗を集中出店することにより、その周辺での知名度が高くなります。地域ブランド化が成功しています。
局地では知名度があるということから一定の安定した集客力を持てるな
出店方法では駅前出店、ロードサイド出店などがありますが、資金力の乏しい弱者は出店費用のかからない方法を模索する必要があります。
インターネットにより弱者にとっては強力な弱者の戦術手段が生まれ、起業成功の可能性が高まりました。
自分の強み、物、市場を1点に絞り込み、インターネットという戦術を組み合わせた方法で、経営資源の限られた起業時の各種の壁を突破できるのです。
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