金積立は、金(ゴールド)を毎月といった特定の期間ごとに積立方式で購入していく投資手法です。積立の方法としては、一定金額での買付と一定グラムでの買付が可能です。
少額投資でできて、一度積立設定を行えば基本的に自動で投資ができる金積立。金積立は、複数のメリットを持ちますが、同時にデメリットも存在します。
金積立に興味をもったら、メリットと同様にデメリットもしっかり把握しよう!
デメリット①短期の利益を出すのは難しい
まず、金積立は短期での売却益などを得にくい投資の一つです。
それゆえ、長期的に資産形成をしたい人に向いています。
なぜならば、金積立は基本的にドルコスト平均法に基づいて、毎月一定額の金(ゴールド)を購入するものです。
ドルコスト平均法の良いところは、金(ゴールド)の取得コストを低くできるメリットがあります。
しかしながら、短期間の売買で高い売却益を得ることは難しい投資です。
金投資で高いリターンを得たい場合、金価格が下がったところで一括購入をし、高くなったところで一括売却するといった価格差による利益を狙う必要があります。
もし、金投資の中で、ハイリターンを狙うならば、金積立は方法として適切ではありません。その場合は、現物取引や金先物取引、金CFDなどの他の投資法をおすすめします。
現物投資となると、インゴットは500gや1kgといった単位で取引されているので金額も金積立のようにはいきません。
金積立は、現物で基本的に取引されるよりも少量・少額の取引となるので、どこで金積立をやろうともすぐに利益は出ないことを覚悟しておく必要があります。
しかし、リスクが大きいので、一括購入には損失も大きくなる可能性があります。
金は比較的安定した資産だが、日々の値動きも激しく、購入した価格以上にすぐに価格が上がるとは限らないんだ
その点で金積立であれば、ゆっくりと上昇する金(ゴールド)の価格に連動して資産を大きくできる可能性が高まります。
比較的金投資の中で、金積立は「時間はかかる」投資になります。
コツコツやる必要もあるので、地道に積立ができない人にも不向きな側面があります。
今すぐ利益を得たい人には不向きな投資ってことだね!
デメリット②一定のコストが継続的にかかる
金積立は貴金属の業者経由もしくは銀行や証券会社を経由して始めることができます。
それぞれに特徴がありますが、貴金属の業者を通じて金積立を行う場合、一部の取り扱い会社では年会費が必要になります。
年会費は利用する業者によって異なりますが、例えば、三菱マテリアルでは、年会費が864円かかります。これは金積立をやっている場合必ずかかるものです。
貴金属業者での金積立の場合、電話注文やネット注文などさまざまな注文方法に対応してくれますが、金積立を一旦休止したとしてもこの年会費がかかるので注意が必要です。
会員である以上は常にかかるコストとして認識しておく必要があります。積立金額も関係ないので、貴金属業者を利用するならば、ある程度の入金ができる人の方が向いています。
少額投資で初期費用などをかけたくない人には、証券会社などの口座での取引をおすすめします。
しかし、こちらも購入手数料や売買手数料がかかります。現在、SBI証券など大手ネット証券を中心に金積立のサービスが行われていますが、最低金額は1000円からとなっています。
しかし、毎回の購入に際して買付手数料がかかり、おおむね2%前後の手数料がとられます。つまり、1,000円の購入に際して20円程度が必要です。
この購入手数料は、上記の貴金属の業者でも同様です。
少額の積立の場合は、あまり気にならないかもしれません。しかし、仮に毎月1万円を積立設定した場合、毎月200円が手数料として引かれる計算になります。年間12万円の投資に対し、2,400円の手数料がかかります。
現在、金積立を行う場合、購入手数料がかからないところはほとんどありません。
必ずかかってくる手数料が高ければ、その分実質利回りも少なくなるから利用する業者や証券会社は見極めたいところだな
実際、株式や投資信託を購入する手数料に比べると、金積立の手数料コストは安くないので、その点に留意して投資を始める必要があります。
デメリット③企業の成長などの恩恵を受けにくい
また、金積立は金の価値の値上がりによって利益を得る投資になります。
それゆえ、企業などが成長している時に株式が上がったりする恩恵を受けられません。逆にそうした株式や投資信託が好調なときは、金(ゴールド)の価格は低迷する傾向にあります。
そして、金(ゴールド)の価格はリアルタイムで変化しています。
それゆえ、金ETF(=上場投資信託)などを取引している場合は取引所が開いている時間にリアルタイムで売買することができます。
しかし、金積立では運営会社が発表している小売価格でしか買うことができません。
したがって利益確定がしづらかったり、思った通りの価格で売却できなかったりといったデメリットがあります。
金ETFとは、金(ゴールド)の価格に連動するETFのことです。
他のETF同様にリアルタイムで取引ができますが、分配金が出ない上に比較的信託報酬といった手数料が高いのが特徴です。また、金積立と異なり、現物の金に交換することはできないデメリットもあります。
デメリット④投資をしている感覚に欠ける
金積立は、今や証券会社で設定するだけで自動で行うことができる投資です。
資金を事前に指定の口座に入れておけば、毎月設定した金額分もしくはグラム数の金を買い付けることができます。
人によっては投資をしていることを忘れてしまうこともありそうだね
しかし、金(ゴールド)の価格は日々変動しています。世界中で需要があるので値動きは激しい時もあります。
気がついて現金化したい時に元本割れすることもありますので、定期的に価格をチェックしたり、自分が保有する金(ゴールド)の総量や価格を確認しておく必要があります。
金積立は、株式や投資信託のようにメジャーな投資ではないため、情報収集もしづらい傾向にあります。
金積立に関する情報収集方法実際に金積立をしていても投資の一部だったりと投資している事実をわざわざ公開していない人もいるほどなんだ
基本的には放置していても、価値がゼロになることはありません。
しかし、注意していないと思わぬところで損をすることになるので、投資をしている感覚がもてるような状況を作っておく必要があります。
金積立をしている人は、他の投資と併用している人もいるので、自分のポートフォリオを年に数回チェックする機会などを持つといった手も有効です。
金積立の積立額はいつでも変更できるので、自分の資金の状態に合わせて定期的に金額の調整を行うなど金積立の管理をするのがおすすめです。
まとめ
金積立は、初期費用が少ない投資初心者向けの投資手法です。
毎月コツコツと金(ゴールド)を買付するために資金を拠出する投資なので、大きなリターンをすぐに得ることは難しいです。
継続して利益を得ていく投資なので、何年も金積立をするのが困難な人にも適していないといえるな
また、金積立は自動設定でできてしまうので投資をしている感覚が持てなかったり無関心になりがちな投資の一つです。
自分でルールを作ったり、定期的に確認するなど習慣化するなどしないと損をする可能性もあるのが最大のデメリットといえます。
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