投資信託は、金融商品の中でも少額投資ができるため、投資初心者にもおすすめされている金融商品です。
投資信託のメリットとは種類も豊富で、運用自体はプロが行なってくれるためほったらかし投資ができるといった評判ですが、金融商品であるがゆえに、さまざまなリスクは存在します。
それゆえ、投資信託には投資信託なりのデメリットがあると思って投資を行う必要があります。
投資信託に起こりうるリスクなどを踏まえて、投資信託についてのデメリットをまとめてみました。
元本割れリスクや倒産リスクなどが存在する
まず、投資信託はプロが運用していますが、その中身は国内外の債券や株式のため日々価格が変動しています。
もちろん、保有する投資信託の基準価額が暴落し、投資資金である元本より大きくマイナスになることもあります。
いわゆる元本割れを引き起こす可能性があるので、必ずしも儲けられるわけではありません。
また、投資信託は基本的に各種投資信託を投資家に販売する販売会社・投資信託の運用計画を立て、資金を動かす運用指図を実行する運用会社・顧客から預かった資金を管理する信託銀行の3つのプロが関わっています。
この3社はすべて民間企業ですので、いわゆる倒産リスクも抱えています。
例えば運用会社が倒産してしまった場合、投資信託の運用ができなくなってしまうため、投資信託自体がなくなってしまうことがあります。
その際には信託銀行で管理されている金額自体は戻ってきますが、投資信託の解約金などが発生したり、長期的に投資することで得られるリターンを失う危険性があります。
そうしたリスクに備えるために、元本割れが少ないであろう投資信託を自己責任で選択する必要があったり、順調に資産総額が推移しそうななくならない投資信託を見つけるなどの自助努力が必要です。
運用自体はプロに任せられても、最終的には自己責任で投資をする必要があるのは、投資信託といっても他の金融商品と同様です。
それでも運用に使える純資産総額が一定数集まらず、運用ができなくなる投資信託もあります。
投資信託自体がなくなる可能性も視野に入れておく必要があります。
さらに、債券が比率的に多い投資信託の場合は為替リスクも考慮する必要があります。たとえ投資信託自体が順調に利益を出していても金利分を考慮するとマイナスになるケースも少なくありません。
為替での損失を減らしたいということなら、為替を考慮する為替ヘッジありの投資信託を選ぶなどの工夫が必要です。
投資信託には投資家から見えない部分が多い
また、投資信託への投資に関してはある程度の情報は得られるといっても、投資家からは見えない部分も多いです。
その一つが費用面であり、プロに運用してもらう分、投資信託にはいくつかの必要経費が存在します。
例えば、まず投資信託は販売会社を通じて購入することになりますが、その際に必要となるのが購入手数料です。
近年はノーロードと呼ばれる購入手数料がかからない商品も増えているので、手数料を抑えたい場合はそうした投資信託を購入することをおすすめします。
売却する時には、売却手数料とともに利益については税金がかかる点も注意が必要です。現在は約20%の税金がかかります。
それゆえ、できるだけ長期的に投資信託を運用し、運用益を積み立てることが大きな資産を築くために必要となります。
また、投資信託を購入して保有する上でかかるもっとも大きな費用として信託報酬が挙げられます。
信託報酬は投資信託を保有する際にかかる手数料のことで、保有金額に対してインデックス投信(=一定の経済指数に連動するよう設計された投資信託)だと1%未満ですが、保有金額から引かれるため毎月いくらかかっているのかなどが分かりにくいところがあります。
目に見えない手数料としては、インデックス投信の場合、連動設計された指数から大きく乖離する場合に債券や株式の売買が指図されることになるのですが、その際の手数料なども保有金額に応じて投資家が負担することになります。
インデックス投信の目安となるベンチマークとの乖離が起きることは投資家からは予測しづらく、いつ起こるか分からないので、投資信託を保有する投資家は手数料が実際いつ頃どれくらいかかるのか分からないデメリットがあります。
手数料の負担を減らしたい場合は、なるべく信託報酬が低く設定された投資信託やベンチマークとの乖離が起こりにくい投資信託を購入する必要があります。
また、投資信託は、1日に1回決定される基準価額を基準として売買されることになります。
それゆえ、自分の理想とする金額で購入することができなかったり、同様に売却できなかったりもします。
自分の言い値で取引できないのもデメリットです。売却の際にも換金には時間を要するために可及的速やかに必要な資金を投資信託で運用することもお勧めできません。
投資をしている楽しさを感じられにくい
実際に投資信託を購入している個人投資家の意見や口コミを見ていると、投資信託のみに投資をするのは無味乾燥になりやすいというのもデメリットといえるでしょう。
自分好みの投資信託を選ぶ楽しさや継続して入金していくことで金融資産が増えていく楽しさもありますが、同時に資産が目減りする可能性もありますし、一度投資先を決定すると個人投資家がすることはほとんどなくなります。
運用会社から届く報告書に目を通すなど投資家としての情報収集は必要ですが、日々の運用はプロがやってくれるので手持ち無沙汰になる人も多いようです。
特に指数連動するインデックス投信への投資となると、投資信託を長期的に保有し、入金を継続していくことでリターンが平均化していくために当初ほどの盛り上がりを感じにくいといったこともあります。
人間は楽しくなければ続けられない生き物であり、投資をつまらないと感じると継続する意志も希薄になっていきます。
それを阻止するために多くの投資家は資産形成の一環として割り切り、投資のことはあまり考えない人もいれば、共通の趣味を持つ投資家同士でつながったりします。
最近は個人投資家同士が金融系のセミナーやイベントでつながりあって、情報交換できる仲間を作るといった動きも活発です。
もしくは、金融系の資格試験に挑戦したり、勉強会を催すなど投資以外に目を向ける人も増えています。
投資信託は投資信託の選定などやるべきことは多いですが、一度投資を行う仕組みが出来上がってくるとやることがない、つまらないといったデメリットがあります。
そのつまらなさを気にしない、もしくは他のことで紛らわすといった必要性があるといえるでしょう。
まとめ
投資信託は、初心者でも簡単に少額から投資できる優良な金融商品の一つです。
今は各社から販売されている投資信託の投資先などが明確に開示されるので、金融商品設計の透明度も高まっています。
しかしながら、運用のほとんどをプロに任せる=投資家自身ができることが少ないということでもあります。
それゆえ、長期的に投資信託を保有することで比較的リスク少なく大きなリターンを得られる可能性があるのですが、続かない人が一定数いるのも事実です。
投資信託が優れた金融商品であるゆえに、イメージする投資と違うといった理由で投資自体をやめてしまうこともあります。
投資信託のデメリットは十分に理解した上で、どうするかもまた自己責任といえるでしょう。
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