資産形成の一環として投資を始める人が増えてきています。
その中でも金融のプロがすすめるのが投資信託という金融商品です。
少額から投資が始められて、値動きなどを比較的気にせず時間を味方につけて資産を増やすことができるのが魅力の投資信託。
しかし、購入することを勧める人は多くても売却についての情報は多くありません。
実は、投資信託の売却には注意しなければいけないところがたくさんあります。
今回はそうした注意点を踏まえて、投資信託の売却方法をご紹介したいと思います。
そもそも投資信託の解約タイミングは?
まず、投資信託は売却ができるのかといえば、「売却に近い形である解約ができる」というのが正しい表現です。
投資信託も金融商品の一つであり、必要とあれば解約する必要があります。
あくまでも資産運用の一環ですので、運用自体はプロが担ってくれるとはいえ、投資信託の売買は投資家自身が行うべきことです。
解約のタイミングとしては、運用成績が良くて車の購入代金や旅行代金など理想とする金額に達した場合があります。
投資信託が値上がりしたので利益確定を行う人もいます。
もしくは、運用成績が悪くて理想とする金額に到達しなさそうな場合、運用成績が良い投資信託に乗り換える場合などです。
いわゆる損切りというのが必要なこともあります。
運用成績が悪くて、想定される利益が見込めない場合、早めに損切りをする方が資産を減らさずに済みます。
その目安の一つになるのが純資産の減少です。
投資信託の成績が好調だと、多くの投資家がその投資信託を購入していきます。
純資産は資金が集まるので増加の一途を辿り、利益が出ていけばさらに増えます。
純資産が減少するというのは、人気がなくなって資金が流出している可能性が高いということです。
もしくは純資産をうまく活用できず、利益が出ていない状態ということです。従って、解約するタイミングの目安になります。
資産運用において重要なのは、やはりリスク許容度なので、自分のとれるリスクを超えるような運用成績になったら解約を検討しましょう。
口座開設した銀行・証券会社によって異なる
まず、投資信託の場合は売却もしくは解約という形になります。
投資信託の売却をする場合、実はどこで口座開設したかによって手続きの方法が異なります。
一般的に既存店舗がある銀行や証券会社であれば、担当者さんとのやりとりになります。
実際に店舗に行けば、担当者さんと対面で相談しながら解約手続きを進めることになります。
対面型の良いところは、担当者さんと相談ができるので適切な売り時などのアドバイスがもらえるということです。
しかし、同時に自分の意思ですぐに売りたいと思っても思う通りにできないところです。
特に投資信託の解約となると運用していた資金をいったん金融商品から引く行為なので、担当者さんによっては解約をしぶる人もいるかもしれません。
意思決定が迅速に行えない点では、不自由さを感じる人もいます。
また、店舗のあるお店では電話で対応してくれるところもあります。実店舗に行くよりも手数料が安くなりますが、対応コースを選ぶ必要がなるので事前の準備も必要です。
電話の場合は注文を受け付けてもらうだけなので、対面型に比べると迅速に解約が進みます。自分で注文をしなくていいので気軽に利用できるという人もいるようです。
ただし、手続き面ではネット証券などに比べて自分で行えないので、タイムラグが生じます。
思っていた基準価額で解約というのが難しいのが難点です。
現在、もっとも個人投資家が利用するのがネット証券ですが、ネット証券は担当者がいない分、自分の好きなときに投資信託を解約することができます。
パソコンやスマホから気軽に解約手続きを行うことができます。
ネット証券での売却方法
ネット証券であれば、自分のマイページにログインして、投資信託のボタンをクリックすると買付・売却などが自由に行うことができます。
保有している投資信託の中から売却したいものを選び、解約を選択します。
売却注文の場合、注文可能金額が表示されて全額売却するか、一部売却にするか選ぶことができます。
金額指定で売ることができ、1円単位で指示できるのが投資信託のメリットでもあります。
注文したい金額設定などが完了したら、取引パスワードを入力し、注文を執行させます。
その後、確認画面が出てくるので、注文した内容に間違いがなければ注文発注をすれば手続きは完了です。
注意点としては、解約手続きをした段階ではいくらで解約できるか分からない点です。
手続きを証券会社が受け付けた後の翌日の基準価額を参考として解約価格が決定します。
しかも、解約した後に手元に資金が戻るのは3〜5営業日程度かかります。
すぐに現金化できるわけではないので時間には余裕を持って取引をすることをおすすめします。
ちなみに、投資信託によっては条件を満たさないと解約できないものもあります。
一定期間の保有が条件になっていることもあるので、購入前にしっかり把握しておく必要があります。
売却にかかる費用などについて
投資信託で売却をする際に気をつけなければいけないのが売却にかかる費用についてです。
これは保有する投資信託によって異なるため、それぞれの投資信託ごとに確認しておく必要があります。
例えば、最近は購入手数料については無料のノーロード型の投資信託が多いですが、解約の場合は解約手数料がかかることがあります。
これの投資信託によって異なるので購入前に目論見書などで確認が必要です。
また、投資信託特有の費用として信託財産留保額があります。
信託財産留保額は、いわゆる途中解約する人に適応されるペナルティのようなものです。
投資信託は基本的に途中解約が起きたときに、保有している株式や債券を売って資金を戻る形になります。
その際に金融商品の売買のためには手数料などがかかるので、その負担分を途中解約者が支払うという形になっています。
この信託財産留保額も徴収する投資信託と徴収しない投資信託もあるので、投資を検討する際に確認しておくと良いでしょう。
投資信託にかかる手数料って?コストを抑えるにはどうすればいい?!概ね徴収されることが多いですが、言い換えれば、この手数料のおかげで短期売買を防ぎ、比較的安定的な運用ができるのが投資信託のメリットでもあります。
また解約時点で売却益がある場合、譲渡所得として税金が課されます。現在のところ、譲渡所得には20.315%の課税が義務付けられています。
ネット証券上で、取引が源泉徴収ありの特定口座で行われているなら、自動的に税金が引かれるので確定申告の必要はありません。
今は、国の制度としてつみたてNISAなどが利用できます。
つみたてNISA専用口座で取引していた投資信託であれば、 利益分については非課税です。
ただし、つみたてNISAで取引できる投資信託の上限は年間40万円までなので賢く利用したいところです。
まとめ
投資信託での運用は、普段はプロの手を借りられるので最小限の労力でできる資産運用の一つです。
まとまった資金がなくても誰でもネット証券などを経由して購入できますし、解約手続きもネット上で完結するなど利便性は高まっています。
今は国の制度もあり、投資手法としても一般化していますが、解約する時はタイミングや手数料の面など注意する点は多いです。
自分の資産を大きく減らさないようにほったらかしにせず、自分の投資信託の成績などは定期的にチェックして最良の資産配分を維持するように心がけましょう。
コメントを残す