「投資に興味があるけれどなかなか時間が取れない……」
そんな忙しいビジネスマンにとって、ほったらかしにできる投資として近年注目されているのが投資信託です。
そして、この投資信託にはいくつもの種類があり、人気を集めている分配型といわれる商品は、本当にお得なのか?
今回は他の投資信託と比べながら詳しく解説していきます。
目次
そもそも投資信託ってなに
投資信託(ファンド)とは、投資家から集めた資金をつかって、株式や債券などに投資・運用し、投資額によって投資家へと分配される金融商品のことです。
少額から始められ世界中に分散投資できることが最大の魅力といえます。
そして、投資信託にはいくつか種類があり、その運用者のことをファンドマネージャーと呼びます。もっとも身近なところでいうと、国民年金もファンドマネージャーが運用しているのです。
では、実際に運用している証券会社はどこを選べばいいのかというと、管理手数料が0円のネット証券が断然有利。
そのなかでも、2大ネット証券のSBI証券、楽天証券は商品数も豊富なのでオススメです。
お金に愛される投資信託運用術の第一歩は、コストを抑えてお得に投資をすることです。
効率良く運用するために、まずは投資信託には毎月分配型や無分配型などの種類があることを解説していきます。
毎月分配型
毎月分配型とは、分配金を毎月受け取れる商品を指します。
実に購入者の6割以上の投資信託がこのタイプなのでお得なように思われがちですが、実際のところその仕組みを理解していない方がほとんどです。
この分配金とは、投資信託の基準価格を切り崩して捻出されているものなので、もともとの運用財産が目減りしているため、長期的に積み立てるほど運用益が目減りしているのです。
つまり、元本を切り崩してお金を得ている、と理解しておくことが必要です。
無分配型
長期で運用するのに向いているのがこの無分配型です。
なぜなら分配金はファンドに留保される形となるため、長期で運用していくと運用額が増えていき、より多くの利益が期待できるからです。
また売却した時のみ分配金を得れるので、税制面でもメリットが大きいです。
インデックスファンドと呼ばれるタイプに多いのも特徴です。
分配金再投資型
分配金を受け取らない代わりに再投資するタイプの投資信託です。
こちらは分配金が課税されるので税金に対してのメリットはありませんが、再投資をすることで保有口数が増えます。
アクティブファンドと呼ばれるタイプに多いのも特徴です。
リーマンショック後に変わった毎月分配型
90年代後半以降から注目された毎月分配型は、当初は先進国の債券の割合が高くお得感もあったものの、リーマンショックの影響で債券のみでは利回りが出せない事態が生じ、ハイリスク・ハイリータンの商品を組み入れざるを得なくなりました。
こうした状況により、現在の毎月分配型はオススメ出来ません。
毎月分配型がなぜ損をするのか
一見、お得そうに見える毎月分配型の投資信託。
毎月、分配金をもらえることでお得に感じる方も多く人気ですが、ほとんどの方がその仕組みを理解していません。
そもそも、この分配金は利益が出れば運用益から捻出されますが、利益が出ていない場合は、加入者本人が投資信託を購入した代金の一部が返還されているだけなので、運用資金が減っていることになるのです。
運用資金が少なくなれば、当然、利益も少なくなります。
ここがポイントで、毎月分配型は「高利回り」を謳った宣伝文句もありますが、ここでいう利回りは運用益ではなく、投資した金額に対する分配金を年間で割った割合のことを指します。
つまり「利回り12%」といっても、100万円が1年後に112万円に増えているわけではないのです。また一般的に、高利回りの商品になればなるほどリスクも大きく、価格も変動しやすく、元本が保証されているわけではありません。
そして毎月分配型は売買手数料や信託報酬が高く、購入した時点で数%支払っていたということも珍しくないのです。運用資産が少なくなり、コストもかかる商品は、なかなか稼ぐ事が難しいのです。
このように、正確に毎月分配型の仕組みを知らずに購入しているケースがほとんどなはずです。
ではどうしたらいいのか、無分配型の「インデックスファンド」や分配金再投資型の「アクティブファンド」についても比較していきましょう。
オススメの投資信託
投資信託にはいろんなタイプの商品がありますが、大きく分けて、
- インデックスファンド
- アクティブファンド
の2つのタイプにわかれます。
市場価格(ベンチマーク)に連動する形で設計された投資のことを指します。株式の売買はほとんど行われません。信託報酬が安いのも特徴です。
投資のプロが株式の短期売買を頻繁に行い、市場全体(ベンチマーク)を上回ることを目指した投資のことを指します。インデックスよりも信託報酬は高いです。
常に起こる議論として、アクティブとインデックスのどちらが優れているのか?というものがありますが、ここではインデックスを推奨します。
なぜなら、アクティブの80%以上がインデックスに負けているというデータが事実としてあるからです。
どんなに投資のプロが集まって株式の売買をしても、素人がインデックスを買うだけで、80%以上のプロに勝てるのです。
長期投資になればなるほど、相場は読めないものです。
インデックスファンドで長期投資を行うメリット
・複利の効果で資産を育てよう
投資の1番のメリットは投資をして利益を得ることです。これが銀行に貯金しておくだけだと、ほとんど資産は増えていきません。投資には「複利」という効果があるのです。
複利とは利子にまた利子がつくことをいいます。例えば100万円運用資金があるとして、年利20%で運用できたとすると、どのように資産は増えていくでしょうか?スタートから1年後には120万、2年後には144万、と徐々に増えていき、10年後には619万、20年後には3834万、そして26年後には1億1148万円となり1億の大台を超えていきます。
このように、複利の効果を理解して長期で投資を実践していくことで、将来的な資産形成に大きな差が生まれてくるのです。
そして、インデックスファンドこそ、手数料も安く、長期投資にオススメの投資信託なのです。
オススメの投資信託
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、日本を除く先進国(主にアメリカ)信託報酬0.12%(税込)という、圧倒的な安さでオススメの投資信託です。
なぜなら、長期投資は手数料もバカにできないからです。また分散投資の観点からも、日本が含まれていないのもポイントの一つです。
まだ投資をはじめたばかりで、特にコレがいい!というものがなければ、選んでおくのがオススメです。ネット証券のSBI証券と楽天証券でもお取り扱いがあります。つみたてNISA対象の投資信託です。
楽天 全米株式インデックスファンドは、世界で最初にインデックスファンドを売り出したバンガード社の商品です。
名前の通り全米に投資をします。信託報酬0.17%という安さもメリットです。なにより、歴史あるバンガード社の商品を購入できることが日本初で、お取り扱いは楽天証券です。つみたてNISA対象の投資信託です。
つみたてNISAは、2018年1月からはじまった少額投資非課税制度のことで、金融庁が先導した、長期・つみたて・分散投資を支援する制度。
現在は、つみたてNISAのほかに、一般NISA、ジュニアNISAの3種類の制度がある。
20歳以上であれば制限もなく、最長20年の非課税期間があり、長期での非課税投資が可能となった画期的な制度のこと。
おわりに
資産形成をしたくても、投資経験や知識がないため、躊躇してしまいがちな投資には思わぬ落とし穴があるものです。
長期投資に向いた投資信託を毎月積立をすることで、市場の動向に個人の感情が左右されにくくなるメリットがあります。
買うタイミングを長期にわたって分散できるので、結果的にリスクを抑えることへつながります。株価が下がったときは、それだけ多くの口数を仕入れることもできると喜び、割高なときは口数を買いすぎないで、高値づかみを抑制できたと喜び、常に継続してやめないことが、資産運用の鉄則です。
ゆっくりと時間をかけてお金に愛される投資家への第一歩を歩んで欲しいです。今回、ご紹介したものは投資の初歩の初歩。
ぜひ、あなたの生活のなかに、投資をもっと身近なものと感じていただけたら幸いです。
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