FXへの投資を始めようと思ったら「FX専用口座」の開設が必要ですが、それを提供するFX業者はできるだけ初心者に優しいところを選んでください。
FX投資を始める前に、各通貨のアルファベット3文字の略称や、通貨ペアでは日本円(JPY)が後にくるというルール、交換レートには売値(BID)と買値(ASK)の2つがあり、その差の「スプレッド」がFXの手数料にあたることなどの基本は、しっかりおさえておきましょう。
初心者を親切に導いてくれるFX業者を選ぶ

FX投資を行うために絶対に必要なのは、FX業者が提供する「FX専用口座」です。
それは銀行の「外貨預金」の口座ではありません。FXは「外国為替証拠金取引」と言いますが、金融商品取引法に基づく登録を受けたFX業者でなければ、投資家からの注文の取り次ぎ(仲介)を行うことができません。
新生銀行のようにFXができる銀行、楽天証券のようにFXができる証券会社もありますが、「外国為替証拠金取引」の口座は外貨預金や証券取引の口座とは別に、改めて申し込まなければなりません。
ですからFX投資の第一歩は、FX専用の口座を開設することからです。とはいえ、FX業者はたくさんあり、どれを選べばいいかわからないかもしれません。
初心者の入門に適したFX業者は、「わからないことがあれば質問して親切にアドバイスしてくれる」「少額で始められる(最低取引単位が1000通貨)」「手数料のような取引コストができるだけ安い」といったところです。
各社の公式ホームページを見に行くと、初心者が安心して始められそうか、雰囲気でだいたいわかります。
公式ホームページでは横文字で難しいことを盛んに言っていて、初心者はどこから見ていけばいいかよくわからないようなFX業者はたいてい、中級者以上が対象です。
初心者が最初につきあう相手には向いていません。
野球で言えば、プロの選手のバッティングのテクニックを細かく解説している本のようなもので、キャッチボールすらうまくできないような少年少女は、野球が上達してからはじめてそれを読めばいいのです。
初心者のあなたに必要なのは、キャッチボールのようなFXの基本中の基本がうまくできるよう、導いてくれるようなFX業者です。
「通貨の3文字コード」を覚えるのは基本

FXは、世界各国のお金とお金(通貨と通貨)を交換して、ひんぱんに動く交換レートによって利益をあげる投資方法ですが、「アメリカドルと日本円」「ユーロと日本円」というように、通貨と通貨の1対1の組み合わせを「通貨ペア」と言います。
この通貨ペアの間で、お互いに売り買いのキャッチボールをし、通貨を交換しあいます。
そして、交換レートの変動を利用して利益をあげ、手持ちの資金を増やすことを目指します。
公式ホームページが横文字だらけで難しいFX業者は、中級者以上が対象なので初心者は敬遠したほうがいいと言いましたが、初心者でも最低限、マスターしておかなければならない横文字はあります。
それは通貨の略称のアルファベット3文字の「コード」です。
FXの世界では通貨の種類の違いをアルファベット3文字であらわします。最初の2文字は国名の略、最後の1文字は通貨名の略です。
これは「ISO4217」という国際基準で取り決められた、世界のどこでも共通で使われる3文字のコードです。
- アメリカドル 「USD」
- ユーロ 「EUR」
- 日本円 「JPY」
- 英国ポンド 「GBP」
- スイスフラン 「CHF」
- 中国・人民元 「CNY」
- カナダドル 「CAD」
- オーストラリアドル 「AUD」
- ロシア・ルーブル 「RUB」
- 香港ドル 「HKD」
FXの取引で通貨ペアを組むときは、アメリカドルと日本円は「USD/JPY」、ユーロと日本円は「EUR/JPY」、英国ポンドと日本円は「GBP/JPY」になります。
取引内容をFX業者に伝えるときも「『USD/JPY』でUSDを1000ドル買う」というように、コードで行います。
通貨ペアのコードの順番は決まっています。たとえばアメリカドルと日本円のペアは、売るときでも買うときでもいつでも「USD/JPY」で、「JPY/USD」にはなりません。
左側の通貨1単位(1通貨)に対して右側の通貨がいくらになるかで交換レートを表示しているからです。
たとえば「USD/JPY」は「1ドル=110円」というように、アメリカドル(USD)1単位(1ドル)に対し、日本円(JPY)はいくらになるかで表示します。決して「1円=0.009ドル」にはなりません。
ユーロも英国ポンドもカナダドルも中国の人民元も、そうなっています。
これは外国為替、FXの世界の慣習というよりは、日本の「1円玉」の価値が世界的にみて非常に低いためにそうなっています。
と言っても日本円が世界最弱クラスの通貨という意味ではありません。
日本では現在、補助通貨の「銭」の通貨が発行されず、財布の中のお金はみんな「円」だからです。
ドルの補助通貨は「セント」、ユーロの補助通貨も「セント」、英国ポンドの補助通貨は「ペニー(複数形はペンス)」で、それぞれ硬貨が発行されていますが、日本には「銭」の硬貨がないため、補助通貨も兼用している「1円玉」の価値は世界でも最低クラスです。
それよりも価値が低いのは先進国では韓国ウォン(KRW)、ハンガリーフォリント(HUF)ぐらいで、あとはインフレで経済が破たん状態になった途上国です。
ですから「通貨ペアでは、日本円のJPYはいつでも後にくる」と覚えておいてください。なお、韓国ウォンと日本円の交換レートは、1KRW=0.1円ではなく100KRW=10JPY、1000KRW=100JPYと表示されることが多いです。
FX業者は「スプレッド」でごはんを食べる

株式投資をしたことがある人がFX投資を始めたら、こんな疑問を持つかもしれません。
「FXには、株式のような売買仲介手数料がないけれども、FX業者はどうやって食べているのだろうか?」
FX業者の中には「手数料なし」をアピールしているところがあるので、よけいにそう思うかもしれません。
株式投資では、買い注文では買付代金に手数料を足して証券会社に支払い、売り注文では売却代金から手数料を差し引かれて受け取ります。1回1回の取引で、証券会社の取り分は明確です。
その売買仲介手数料を思い切って安くしてアピールするネット証券会社はありますが、何かのキャンペーンでもない限り、手数料をゼロにすることはありません。
ところが、FXにはそんなタイプの手数料が見当たりません。
もちろん、FX業者はカスミを食べて生きているわけではありません。投資家の1回1回のFX取引をお手伝いすることで、しっかりと手数料のようなものを得ています。
それは「スプレッド」と言います。
スプレッド (spread) は、英語で「差をひろげる」(動詞)とか「差のひろがり」(名詞)という意味です。2つの差がひろがっていたら、それをスプレッドと言います。FXでその2つの差とは、何を指すのでしょうか?
それはそれぞれの通貨の「買値」と「売値」の差です。
たとえばアメリカドルと日本円の「USD/JPY」の通貨ペアで、テレビなどで報道される交換レートが「1ドル=110.00円」となっていても、実際のFXではそのレートでは売買できません。
「1ドル=110.01円」のような少し高い「買値」で買い、「1ドル=109.99円」のような少し安い「売値」で売ります。この場合、2つの差(スプレッド)は2銭です。
この買値と売値の差2銭が、FX業者の利益になります。1000ドル取引されれば20円、1日に1億ドル取引されれば200万円です。1年で365億ドル取引されれば、7億3000万円です。
このお金でFX業者はコンピュータシステムなど設備を整え、社員に給料を払い、社員はごはんを食べているのです。
FX業者の取引画面で「USD/JPY」を見てみると、価格欄には左にBID、右にASKとあります。このBIDは売値、ASKは買値で、数字は「BID<ASK」です。その数字の差がスプレッドです。
街の古本屋に行くと、昔の本に「150円」と値札がついています。それを見て、全く同じ本を持ってきた人が古本屋の主人に「150円で買ってください」と言っても、「80円だね」などと値切られることでしょう。
「本棚のあそこにあるのより、きれいでしょう」と言っても、相手にされません。
この昔の本は、古本屋では現在、「販売価格150円、買取価格80円」になっています。そして「販売価格-買取価格」の70円が、古本屋の利益になります。この古本の販売価格と買取価格の差額で、古本屋の主人は家賃など店の運営経費を支払い、ごはんを食べているのです。
それをFXっぽく言うと、こうなります。
「古本のBID(売値)とASK(買値)のスプレッドで、古本屋は運営されている」
古本屋でも古着屋でも中古CDショップでも、中古品のリサイクルショップは「販売価格-買取価格」のスプレッドで利益を得ています。それを「手数料」とは言っていませんが、実質的には販売手数料です。
FX業者が「売りたい値段」の「売値(BID)」と、「買いたい値段」の「買値(ASK)」の差がスプレッドです。
「買値」と「売値」の差が大きいと「スプレッドがひろい」(=手数料が高い)、小さいと「スプレッドが狭い」(=手数料が安い)と言います。投資家にとっては狭いほうがコストが安くすみ、歓迎されます。
この「売値=Bid(ビッド)」「買値=Ask(アスク)」はFXの基本用語ですから、覚えておきましょう。
スプレッドはFX業者の利益の源ですが、FX業者は自由にそれを決められます。もちろん高すぎると投資家はよその業者に逃げてしまいますから、だいたい0.25銭~2銭の範囲内におさまっています。
2銭を超えると「高い業者」と思われているようです。
スプレッドは一般的に「USD/JPY」のような取引量の多い通貨ペアでは安くなりますが、日付や時間帯で変わってくる場合もあります。
たとえば日本時間で毎月第1金曜日の夜の「アメリカの雇用統計発表」の前後は、FXの参加者が多くなって交換レートの変動が激しくなりがちで、スプレッドがひろくなりFXのコストが高くなる傾向があります。
0.1銭、0.2銭程度のスプレッド拡大でも「チリも積もれば山となる」ですから、敏感になってください。
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